屋台
道具

01 獅子頭

02 鳴り物

横幕装着
前幕装着

03 横梃子

 獅子は美的に装飾されて唐獅子ともいわれるが、

上獅子はこの唐獅子の雄ではないかと思われる。

したがって、雌獅子を象徴する下獅子の獅子頭が

朱塗りに対し、現在の上獅子の獅子頭は深緑色の

漆が塗られている。

 上獅子でも下獅子においても、獅子頭を舞わすには大太鼓・小太鼓・笛・鉦で醸

し出すリズム・メロディー・テンポのハーモニックな囃子とその雰囲気にのせて、舞

わし手が演ずる。

 上・下両獅子の笛や小太鼓大太鼓などによる演奏は、祭り囃子全体のそれぞれ

半分ずつを演奏しているものであると言う。半分ずつというのは、

上下獅子の演奏が全く同じではなく、それ

ぞれ独特な笛のメロディー・太鼓のリズム

を演奏したり補いあったりしているという意味である。従って、

下獅子との寄け合いがすんだ後、屋台がすれ違う際に双方

で奏でる囃子だけが、祭り囃子の完成したものである。

いわば、その時だけがオーケストラのクライマックス

の部分に当たるのだろうと思われる。

 横梃子は屋台を動かすのに使う棒で、屋台の進路を調整した

りブレーキを掛けたりするのに用いる。

 とくに上獅子の場合、傾斜がきつく10度から15度もある丸屋

坂・味噌屋の坂など、屋台運行の途中に急な坂道とヘアピンカ

ーブがいくつかあり、屋台の坂くだりには細心の

注意を払わなければならないのである。

 横梃子は長さ100cm・太さ10cmほどで末口径が8cm

ほどであるが、末口の方を斜めに削り屋台の車輪が梃子にのって滑る

ようにして、屋台の舵がとれるようにした棒でなければならない。